公開日 2014年04月30日
出雲文化学の第3回講義が4月25日、本学ホールで開かれ、島根大学ミュージアムの會下和宏准教授が「弥生時代?山陰の四隅突出型墳丘墓」について、その研究と考察について講義を行いました。市民パスポート会員47人を含む本学学生270人が出席しました。
會下准教授はまず、方形墳丘の四隅が突出しているという独特な形状をもつ四隅突出型墳丘墓について概説しました。次に、吉備や丹後、近畿から東伟德体育_伟德体育app-在线|平台@、さらには朝鮮半島南部や中国といった他地域の墓制を紹介し、比較説明がありました。分布や写真などの豊富なデータを提示して、どこから発生したのかは不明ではあるものの、弥生中期後葉には、江の川中流域と出雲平野にあったものが、弥生後期終末期までくだると隠岐?北陸にも拡散していくこと、同時期に作られたものであっても規模が異なることなどを指摘しました。また、副葬品の内容や当時の地形から、島根半島が海運の要衝であり、鉄を中心とした文物の流通を掌握したこと、成熟し複雑化した国である漢帝国の先進的な情報が、弥生社会へ刺激を与えたこと、これらが階層化社会を進展させ、首長の権力を増大させたのではないかとし、後継の首長が地域をまとめるための権威を必要とした際に、それを示威するために墳丘墓が大型化したのでは、という説を展開しました。
出雲文化学は第3回、4回、6回について、講師の都合により講義の順番を変更しており、第4回は5月9日、本学法文学部の大橋泰夫教授による「考古学からみた『出雲国風土記』と出雲国府」となります。
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