公開日 2019年11月06日
10月10日(木)、大田市役所政策企画部にご協力いただき、島根県大田市温泉津町の清水大師寺において、第90回島根大学サイエンスカフェを開催しました。本学の法文学部、宮本恭子 教授を講師に迎え、人生100年時代の介護問題-介護する人もされる人も安心して暮らし続けるために-をテーマに開催し、32名の参加がありました。
人生100年時代に向けて問われる家族や介護、生活支援のあり方など、現在、全ての年代に必要とされ、避けては通れない喫緊の課題について、参加者と共に知識を深めました。当日は、大田市役所からは介護保険の担当部局の職員の参加もあり、現状について講師とのやり取りがあるなど、ライブ感あるサイエンスカフェとなりました。
個人と家族の形態が多様化しており、家族による介護を前提とした介護保険制度では対応しにくくなっていること、また、家族と住まいの在り方も多様化しており、世帯を単位とした社会保障の限界が見えていることから、個人を単位とした仕組みへの再編が必要であるとの宮本教授の講義に、参加者一同、考えさせられる機会となりました。講義の最後には、課題解決のアプローチの一つとして、地域共生社会の実現について紹介がありました。支える側、支えられる側という固定的な関係性を超えて、お互いに「支え?支えられる」循環する関係性の構築、地域づくり、雇用の創出、新たな価値の創造により地域共生社会を実現するもので、一例として、オランダの取組の紹介がありました。
講義終了後は、参加者による質問があり、これからの社会福祉を考える意義深いサイエンスカフェとなりました。
今回は大田市で開催する初のサイエンスカフェであり、会場は地域共生社会を支える場とも言える、清水大師寺でした。地域の自治体関係者や地域住民の皆さまを参加者に迎え、開催テーマにふさわしい素敵な会となりました。
次回は11月12日(火)に松江テルサを会場に、講師に医学部の福田誠司教授をを迎え、「白血病の病態解明と新しい治療法開発」をテーマにお話しいただきます。
今年度のサイエンスカフェのスケジュールは「令和元年度島根大学サイエンスカフェ開催のご案内」に掲載しております。
引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。
宮本教授の講演の様子
会場の様子
質疑応答の様子
寺から望む伟德体育_伟德体育app-在线|平台@海と温泉津湾