お宝研究Vol12
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重点研究部門萌芽研究部門特別研究部門プロジェクトセンター研究表彰若手研究者表彰女性研究者表彰33大原 浩貴(学術研究院医学?看護学系医学部担当?助教) Hiroki Ohara (Assistant Professor, Academic Assembly Institute of Medicine and Nursing) 研究者紹介概 要特 色研究成果今後の展望社会実装への展望Does a functional abnormality of STIM1 contribute to the onset of hypertension? -Evaluation using a Stim1 knockin SHRSP- 脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)は,伟德体育_伟德体育app-在线|平台@で確立された代表的な高血圧疾患モデル動物です。人為的な処置なしに遺伝的に重症高血圧と脳卒中を発症するため,SHRSPにおけるこれらの病気の発症に遺伝的な素因が存在することは明らかですが,その具体的な原因遺伝子についてはよく分かっていません。SHRSPがなぜ高血圧や脳卒中を自然発症するのか,その謎を解明することができれば,ヒト高血圧関連疾患の新規予防?治療法の開発に寄与する知見を得られると考え,基礎医学的研究を行っています。 The stroke-prone spontaneously hypetensive rat (SHRSP) is a representative animal model characterized by genetic severe hypertension and cerebral stroke. As far as we know, specific genetic factors that predispose SHRSP to those cardiovascular diseases remain unknown. A goal of our research is to identify genetic determinant(s) responsible for hypertensive phenotypes in SHRSP. Basic research using SHRSP will contribute to the development of novel prognostic/therapeutic methods in human diseases. 高血圧は最もありふれた生活習慣病の一つです。この研究紹介に目を通してくださっている方の中にも,「自分は高血圧患者である」という方は少なくないのではないでしょうか。多くの優れた降圧薬が開発され,高血圧治療は概ね充実していると考えられますが,対照的に高血圧患者やそれに起因する心疾患(心筋梗塞など)で亡くなる方の数は増加傾向にあります。高血圧をより効果的に予防?治療し,心疾患などでの死亡リスクを減らすためには,高血圧という病気の本質を確実に解明する必要があります。SHRSPはヒト高血圧の代表的なモデル動物であり,多くの降圧薬の開発などに貢献してきました。SHRSPにおける高血圧や脳血管障害の原因遺伝子を明らかにできれば,ヒトにおける同疾患の新規予防?治療法の開発に貢献することが期待されます。本研究では,当研究室のこれまでの研究成果から,SHRSPの「ストレス感受性」に着目して,その病態解明を試みました。イライラしやすい人は,血圧が高い傾向にあります。これはネズミも同様で,正常血圧のラットにストレス刺激を与えた場合は血圧の上がり方は穏やかですが,ストレス感受性が高いSHRSPでは,血圧がより顕著に増加します。このような病態は「ストレス性高血圧」と呼ばれ,例えばヒトでは,自宅での血圧は正常でも職場あるいはお医者さんの前だと高血圧となる「職場/白衣高血圧」というものが知られています。私たちは,SHRSPにおけるストレス性高血圧の原因遺伝子の候補として,「STIM1」という分子を同定しました。SHRSPのStim1遺伝子には変異があり,ラットから取り出した培養細胞の実験ではSTIM1が機能的に異常を示すことが分かっています。そこで,遺伝子改変技術によりStim1遺伝子の変異を「修正」し,機能を正常化した「Stim1ノックインSHRSP」というモデルを作成し,このラットでストレス性高血圧の抑制が見られるかなど,高血圧発症への影響を評価しています。 本研究によりヒト高血圧症の疾患モデルであるSHRSPの病態を解明することで,高血圧やそれに関連する心疾患,脳血管疾患の新規予防?治療法の開発への貢献が期待できます。本研究の概要と目的小胞体Ca2+センサーSTIM1の機能異常は高血圧発症に寄与するか?-Stim1ノックインSHRSPを用いた検討-
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