初めての海外経験で自信や将来展望を深める(人間科学部?植田 航平)

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Q まずは植田さんご自身の専攻について教えてください。
A 専攻は心理学です。高校生の時に、進路を考える際、人間の心の動きや悩みの解決など人間のことについて考えたいと思ったからです。カウンセラー志望ではなく、心理学の研究をしたいと思いました。

Q 心理学の面白さってどんなところでしょうか。
A 抽象的に人の心が分かるということではなく、人間の行動から人のことが分かる、知ることができるところが面白いです。有名な話で言えば、パブロフの犬のように、ベルを鳴らしてからエサを与えることを繰り返すと、ベルが鳴るだけで唾液を出すというような実験があります。人間についても、人の行動に関わるような実験を通して人間を知ることができるところに面白さを感じます。

Q 今回ギャップタームを活用してスウェーデンのルンド大学に行ったと聞きましたが、どのような内容だったのですか。
A 飛行機の移動も含めて9月2日から9月8日までスウェーデンのマルメ市に訪問しました。マルメ市にはヘルスケアセンターやスポーツアカデミーなどの施設を何か所か見学し、医療職や心理職などの専門家の方とディスカッションを行いました。また、ルンド大学の研究施設では、スウェーデンにおける社会制度や医療、心理などの諸状況について説明を受け、意見交換をしたりランチディスカッションやコーヒーブレイクをしたりもしました。当然英語での会話になりますし、スケジュール的にもかなりハードでした。

Q 北欧といえば医療や福祉が進んでいる印象がありますが、そういった進んだ取組を紹介してもらうということですか。
A はい。ただ、スウェーデンと伟德体育_伟德体育app-在线|平台@では税金の在り方など国の制度自体が異なるので、そのままスウェーデンのやり方を伟德体育_伟德体育app-在线|平台@に移植するのは無理だと感じました。医療において、伟德体育_伟德体育app-在线|平台@では医師がトップにあり、看護師や理学療法士などがそれをサポートするというような印象がありますが、見学させていただいたヘルスケアセンターでは、医師や看護師などがそれぞれの専門を活かしてフラットな関係で協働で医療に携わっているという印象でした。今後、伟德体育_伟德体育app-在线|平台@においても高齢化社会が進み人材がさらに減少していく中で、医療現場においてもそれぞれの役割分担を行いながらやりくりしていく必要があるんだろうと感じました。

Q 今回、ルンド大学に研修に行こうと思ったきっかけはなんですか。
A 入学した当時から興味はありました。これまで海外に出たことはなかったのですが、ギャップタームで時間があり、スウェーデンという北欧に行くことができる機会はなかなかないと思い、参加を決めました。金銭面で不安もありましたが、親からの後押しもあって、まずは経験したいということで参加しました。

Q 初めての海外、また、英語でのディスカッションなど出発前の準備は大変ではありませんでしたか。
A もともと大学院に進学したいという思いもあり、英語の必要性は感じていました。前期にオールイングリッシュの授業を履修したりもしましたが、ディスカッションがあることを知ったのは出発の直前だったので、ほとんどぶっつけ本番のような感じでした。質問事項についても自分自身の問題意識のある部分について1つ2つ用意したくらいです。ただ、自分自身、今回の経験を経て力が付いたと感じています。後期にもオールイングリッシュの授業を履修しているのですが、前期よりは余裕が出てきたように感じています。

Q 心理学を学ぶということとルンド大学で医療現場を知るということがどうつながるのですか。また、今回の経験を通じて、自分の学びにどんな影響や変化がありましたか。
A 今回のルンド大学への研修では、医療のエキスパートとのディスカッションがありました。大学院に進んで研究するのが面白そうだとより強く感じるようになり、研究に対するモチベーションの向上にもつながりました。また、ディスカッションを通じて、スウェーデンの医療現場でもエビデンスを重視していることが分かりました。心理学という学問を深める上でも、エビデンスを大事にした研究を進めていきたいと思います。

Q 初めて海外を経験してみてどのような印象や感想を持ちましたか。
A 自分自身大きい意味があったと思います。まずは町の風景や景色が壮大で感動しました。それから、伟德体育_伟德体育app-在线|平台@とは違いスウェーデンではクレジットカード社会でした。クレジットカードを使い慣れておらず、いつの間にか限度額を超えていたようで、スウェーデンに到着後困りましたが、先生や両親に助けてもらいながらなんとか滞在できました。また海外にも行きたいと思っていますが、次も語学留学ではなく、海外に滞在して海外の大学で勉強してというふうにも少し考えています。

Q 大学生はギャップタームをどのように学びに活かしたらよいか、お聞きしたいのですが、植田さん自身はこれまで、夏休みなど授業期間以外の期間にどんなことをしてきましたか。
A ギャップタームといっても、感覚としては正直夏休みが伸びたという風に受け止めています。2年生の時には集中講義をいくつも受講したほか、今年も参加したのですが、伟德体育_伟德体育app-在线|平台@心理学会にも参加しました。自分が学部生であると伝えると発表者の先生方も丁寧に教えてくれますし、参加費も無料でした。今年は同期、後輩も含め10人程度参加していましたので、学部生では島根大学の参加者が一番多いかもしれません。他には、北陸先端科学技術大学院大学で認知科学のサマースクールに参加したりもしました。内容は難しかったですがとても刺激的で面白かったです。これまでの夏休みはポスター掲示やツイッター、webなどを見て、面白そうなもの、興味のあるものに色々なものに参加してきました。

Q 将来なりたい職業や進路などを決めて計画的に学ぶスタイルや、色々なものに触れながら学びの方向性をつくっていくスタイルなど、人それぞれ学び方はあると思いますが、植田さんはご自身の経験をふまえると、どんな学び方が望ましいのでしょうか。
A 後輩やこれから大学生になろうとしている高校生には、偉そうなことは言えませんが、何でもいいので自分がやりたいと考えたことをやればいいと思います。友達と遊びに行くでもいいと思います。私は実はなりたい職業は決まっています。人間科学部の入試の面接でも話したのですが、将来は航空管制官になりたいと思っています。多くの命を預かる高ストレスな職業であり、ストレス耐性などに興味があって心理学を選択しました。とはいえ、自分自身の教養を広げるためにも、苦手な理数系の教養科目を履修したりと今後の自分に活かすためにも幅広く学んでいます。少し遠回りかもしれませんが、最後のゴールは決めています。